【スプリンターズステークス2023】過去データ分析《傾向ピッタリは?》

過去データ

はい、皆さんこんにちは。アギョウです。

今回はスプリンターズステークスが、どんな特徴があるのかを解説していきます。

それじゃあ早速、人気データを交えながら話しをしていきましょう。

人気データ

人気 着別度数(中山開催時) 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
1番人気 5- 0- 1- 3/ 9 55.6% 55.6% 66.7% 154 93
2番人気 1- 3- 0- 5/ 9 11.1% 44.4% 44.4% 32 84
3番人気 2- 2- 0- 5/ 9 22.2% 44.4% 44.4% 161 104
4~6人気 0- 1- 1- 25/ 27 0.0% 3.7% 7.4% 0 31
7~ 人気 1- 3- 7- 78/ 89 1.1% 4.5% 12.4% 22 86

スプリンターズステークスは近年になって波乱が目立つようになりました。

まずこのレースが中山で行われた過去9年のデータを確認すると、1番人気が勝率55.6%。半分以上は1番人気が勝利するなど、かつては強い馬が順当に勝ち負けして、人気薄は来ても3着までというケースが多かったのですが、どうも近年になって傾向が変わってきています。

人気 着別度数(近5年) 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
1番人気 2- 0- 1- 2/ 5 40.0% 40.0% 60.0% 100 82
2番人気 1- 1- 0- 3/ 5 20.0% 40.0% 40.0% 58 58
3番人気 1- 2- 0- 2/ 5 20.0% 60.0% 60.0% 106 112
4~6人気 0- 0- 1-14/15 0.0% 0.0% 6.7% 0 37
7~ 人気 1- 2- 3-44/50 2.0% 6.0% 12.0% 40 86

先程は1番人気が半分以上勝っていましたが、直近5年以内で見れば半分以下。7番人気以下は来ても3着までという感じだったのですが、近年になって人気薄の連対が増えており、過去9年で連対した人気薄の殆どが近年になってのものでした。

スプリンターズステークスはかつて1番人気の順当な勝利が目立つレースでしたが、近年になって波乱の決着が目立っています。近年になって荒れるようになって理由は、この後しっかり説明していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

枠順データ

枠番 着別度数(中山開催時) 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
1枠 2- 1- 3-12/18 11.1% 16.7% 33.3% 137 180
2枠 1- 2- 1-14/18 5.6% 16.7% 22.2% 29 96
3枠 0- 0- 4-14/18 0.0% 0.0% 22.2% 0 143
4枠 3- 3- 0-12/18 16.7% 33.3% 33.3% 49 71
5枠 2- 1- 0-14/17 11.8% 17.6% 17.6% 20 44
6枠 0- 1- 0-17/18 0.0% 5.6% 5.6% 0 8
7枠 1- 0- 0-17/18 5.6% 5.6% 5.6% 51 21
8枠 0- 1- 1-16/18 0.0% 5.6% 11.1% 0 53

スプリンターズステークスは近年になって内枠有利が顕著です。

まず過去9年の詳細な枠順別データをみると1枠が単複ともに回収率100%超え。3枠も複勝回収率100%がある上に、内目の枠順に複勝率20%以上が目立つなど、過去9年の段階で内枠有利なのですが、近年になるとさらに内枠有利が加速していました。

枠番 着別度数(近5年) 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
1枠 1- 0- 3- 6/10 10.0% 10.0% 40.0% 203 276
2枠 1- 1- 0- 8/10 10.0% 20.0% 20.0% 53 38
3枠 0- 0- 1- 9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0 56
4枠 2- 2- 0- 6/10 20.0% 40.0% 40.0% 57 97
5枠 1- 1- 0- 8/10 10.0% 20.0% 20.0% 22 65
6枠 0- 1- 0- 9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0 16
7枠 0- 0- 0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
8枠 0- 0- 1- 9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0 68

先程は6~8枠。外からの連対もマズマズあったのですが直近5年では僅か1頭しか連対することが出来ていません。1枠や4枠も複勝率40%と高い水準になるなど、全体的に外枠が数値を下げて、内枠を成績を上げている傾向にありました。

枠順 着別度数(近5年) 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
1~4枠 4- 3- 4-29/40 10.0% 17.5% 27.5% 78 116
5~8枠 1- 2- 1-36/40 2.5% 7.5% 10.0% 5 37

1~4枠、5~8枠とざっくりした枠順別データを見ても、やはり内枠が勝率から複勝回収率まですべてにおいて内枠が上の成績となっており、外枠は単勝回収率5%。複勝率37%と悲惨な成績です。外枠だと本当に強い馬しか馬券絡みすることが出来ていません。

コース体型上、ただでさえ内枠有利なのに、近年になって馬場整備の技術が向上。秋の中山開催最終週ですが綺麗な馬場状態を保つことができるようになりました。その結果、とんでもない内枠有利になることもあり、馬場状態によっては内を通らないと話しにならないという場合もあります。

近年になって波乱決着が目立つようになったのは、内枠を引けなければ話しにならないというケースが増えたからでしょう。ここは能力というよりもトラックバイアスに左右される面が大きいですから、どの枠順になったかは非常に大きなポイントです。

脚質データ

脚質 着別度数(中山開催時) 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
逃げ 0- 3- 1- 5/ 9 0.0% 33.3% 44.4% 0 111
先行 2- 3- 2- 24/ 31 6.5% 16.1% 22.6% 82 118
中団 6- 3- 3- 43/ 55 10.9% 16.4% 21.8% 43 83
後方 1- 0- 3- 44/ 48 2.1% 2.1% 8.3% 4 38

スプリンターズステークスは近年になって前有利となりました。

例によって過去9年のデータから見ていくと、最終週ということもあって、1200メートルでも差しが決まっている傾向にありましたが、これも近年になって傾向が変わってきています。

脚質 着別度数(直近5年) 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
逃げ 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0 36
先行 2- 3- 1-12/18 11.1% 27.8% 33.3% 142 162
中団 2- 1- 2-25/30 6.7% 10.0% 16.7% 19 56
後方 1- 0- 2-24/27 3.7% 3.7% 11.1% 8 51

直近5年でみると先行・中団は同じ数の勝ち星となっており、先程のデータと見比べると分かるのですが、馬券になった先行馬の殆どが近年になってのものでした。近年になって前に行った馬の前残りが目立つようになっています。

先程の枠順データで馬場整備技術の向上により内枠有利が進んでいるという話しをしましたが、それと同じようなことが脚質データにも言えます。最終週でも良い馬場状態を保つことができるようになったため、簡単には前が止まらないのです。

近年のスプリンターズステークスは内前有利になったというのは覚えておいた方がいいかもしれません。

基本データまとめ

簡単にココまで話した内容をまとめますと、スプリンターズステークスは、

・近年になって波乱の傾向
・近年になって内枠有利が顕著
・近年になって前残りが目立つ

この3点が、特徴として挙げられるでしょう。

ここからはこれらの特徴を踏まえて、具体的にどの馬が今年のスプリンターズステークスにピッタリかというのを考えておこうと思います。

前走4角位置

前走4角 着別度数(中山開催時) 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
1/2頭以内 6- 8- 7- 66/ 87 6.9% 16.1% 24.1% 41 98
1/2頭外 3- 1- 2- 45/ 51 5.9% 7.8% 11.8% 30 49

近年になって前走4コーナー半分より後ろの馬は苦戦を強いられています。

これも過去9年のデータでみると半分より前が有利にしても、半分より後ろだった馬もマズマズ頑張っているなという感じがありましたが、近年に絞ってみると傾向は一変します。

前走4角 着別度数(近5年) 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
1/2頭以内 4- 5- 3-35/47 8.5% 19.1% 25.5% 65 101
1/2頭外 1- 0- 2-28/31 3.2% 3.2% 9.7% 9 44

割りと好走もあった半分より後ろだった馬が僅か1勝のみになっており、ここで好走した殆どが前走でも半分より前で競馬をした馬となっていました。

先程の脚質データで近年になって前有利になったという話しをしましたが、それなら前走でも前に行っていた馬が有利になって当然といえば当然です。単純に今回も前に行く可能性が高いですからね。

ここは前走でも良い先行力を見せていた馬に要注目です。

前走騎手

前走騎手 着別度数(中山開催時) 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
◆同騎手 8- 7- 4-62/81 9.9% 18.5% 23.5% 60 68
◆乗替り 1- 2- 5-54/62 1.6% 4.8% 12.9% 3 90

今回乗り替わりとなった馬は継続騎乗に比べてイマイチな成績です。

乗り替わりとなった馬は勝率僅か1%台だったのに対して、継続騎乗馬が勝率9%台。複勝率で見ても継続騎乗馬は乗り替わりに対して2倍以上となっています。これは近年になって傾向が変化したとかそういったことはなく、過去9年から直近まで普遍的な傾向です。

G1を狙えるような馬がそもそも乗り替わりになるケースは少なく、大体乗り替わりとなる馬は近走が上手くいってなかったり、リーディング上位の騎手から見限られてしまった場合が殆どです。やはりそういった馬たちが巻き返すのは難しくなってきます。

ここは乗り替わりになった馬より継続騎乗となった馬は優先すべきでしょう。

ここまで2つのデータをクリアして残っているのはジャスパークローネ、テイエムスパーダ、ナムラクレア、ボンボヤージ、マッドクールの5頭です。

この5頭のうち強いて1頭にするならどの馬か。最後の鍵を握るのは前走斤量のデータだと思います。

前走斤量

前走斤量 着別度数(中山開催時) 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
増減無し 2- 4- 2- 31/ 39 5.1% 15.4% 20.5% 18 55
今回増 2- 4- 5- 60/ 71 2.8% 8.5% 15.5% 20 85
今回減 5- 1- 2- 25/ 33 15.2% 18.2% 24.2% 90 86

スプリンターズステークスは今回斤量が減る馬の激走が目立ちます。

今回斤量が増える馬、今回斤量が減る馬、そして前走と同じ斤量での出走となる馬の3つに分けた時に、圧倒的な成績となっているのが今回斤量の減る馬です。今回が減る馬は勝率から複勝回収率まですべてにおいて、他の2つを上回る成績となっていました。

このレースの前哨戦として夏の間からスプリント重賞が続いてきたわけですが、夏のスプリント重賞にはハンデ戦なども多く、前走で様々な斤量を背負った馬が一同に会する形になります。それなら当然前走で重い斤量が背負った馬が今回軽くなるパターンが当然良いというわけです。

前走軽い斤量で勝った馬がそのままここでも人気するケースもあるのですが、狙い目はそういった馬ではなく重い斤量で思わぬ凡走をした馬になるでしょう。

直近5年以内のスプリンターズステークスにおいて前走4コーナーで半分より前、継続騎乗。そして今回斤量が減るという3つのデータを同時にクリアした時。勝率複勝率25.0%。回収率は100%を超えていました。

今年の出走馬で、これをクリアしたのはマッドクールしかいません。

まとめ

というわけで、今年のスプリンターズステークスにピッタリの馬は、マッドクールではないかと思います。

この馬は前走が思わぬ凡走となりましたが、その前までは函館スプリントステークスを勝ったキミワクイーン、高松宮記念を勝ったファストフォース、ここで上位人気確実のナムラクレアと接戦するなど、今のスプリント路線では実力上位であるところを見せています。気になるのは前走の負けだと思いますが、前走は斤量58.5キロ。内有利の競馬で終始外々を回される形になる苦しい展開でもありました。重い斤量の上に外を先行する形で大敗というのは、去年の勝ち馬ジャンダルムの前哨戦に、そっくりの負け方です。ジャンダルムのようにここで内枠を引くことさえできれば一変があっても不思議ありません。