はい、皆さんこんにちは。アギョウです。
今回はNHKマイルが、どんな特徴があるのかを解説していきます。
それじゃあ早速、人気データを交えながら話しをしていきましょう。
人気
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3- 1- 1- 5/ 10 | 30.0% | 40.0% | 50.0% |
2番人気 | 3- 2- 1- 4/ 10 | 30.0% | 50.0% | 60.0% |
3番人気 | 1- 1- 0- 8/ 10 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
4番人気 | 0- 1- 0- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% | 10.0% |
5番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
NHKマイルは少波乱の余地があるレースだと思います。
1番人気と2番人気は複勝率50%以上をマークしていますが、3番人気から17番人気まで複勝率10%前後で並んでいます。二桁人気からの激走も数多くあるようなレースです。
こうなっている理由として考えられる要因は色々あるのですが、まずNHKマイルが、牡馬牝馬の大一番、桜花賞と皐月賞の後に行われるからではないかと思います。
桜花賞や皐月賞で好走して、ここでも人気になるパターンでは前走がメイチだった可能性が高いです。2020年のレシステンシアやその前のグランアグレリアは、前走ハイパフォーマンスの反動からか、本来の走りが出来ずに負けたような形でした。
また前哨戦を勝って、人気になるパターンでも本当に一線級と戦える力があるのか半信半疑なところで、桜花賞や皐月賞から、ここに回ってきた馬にアッサリ負けるというパターンもあります。2015年のグランシルクなんかは、このパターンでした。
どちらにしても各馬の取り扱いが難しく、大混戦になるのがNHKマイルです。すんなり人気、実績通りとはいかないレースでしょう。
脚質
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
逃げ | 3- 1- 1- 5/ 10 | 30.0% | 40.0% | 50.0% |
先行 | 2- 3- 2- 35/ 42 | 4.8% | 11.9% | 16.7% |
中団 | 3- 4- 7- 62/ 76 | 3.9% | 9.2% | 18.4% |
後方 | 2- 2- 0- 47/ 51 | 3.9% | 7.8% | 7.8% |
直線の長い東京競馬場で行われるレースですが、あまり末脚勝負にはなりません。
逃げ先行と差し追い込みで見た時に、逃げ先行の方が成績が良いのはもちろんですが、
上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
3F 1位 | 1- 3- 1- 7/ 12 | 8.3% | 33.3% | 41.7% |
3F 2位 | 2- 0- 2- 5/ 9 | 22.2% | 22.2% | 44.4% |
3F 3位 | 2- 3- 3- 6/ 14 | 14.3% | 35.7% | 57.1% |
3F ~5位 | 2- 1- 0- 15/ 18 | 11.1% | 16.7% | 16.7% |
3F 6位~ | 3- 3- 4-115/125 | 2.4% | 4.8% | 8.0% |
上がりのデータを見ると上がり最速の馬が過去10年1勝までに留まっており、上がり6位以下からでも問題なく勝ち負けに加わっています。最後の直線勝負になりやすい東京競馬場では珍しい傾向です。
これは開幕前半の馬場で行われる上に、速いペースになりやすいからでしょう。
過去10年、NHKマイルのペースを見ると、後半3ハロンより、前半3ハロンの方が速いことことが多く、ハイペースになっている年が多いのが分かります。去年のピクシーナイトのように、後々はスプリンターになるような馬でも、無理やりココに出てきます。その結果、ハイペースになるのです。ただ、馬場状態が良好なため、ハイペースだからと言って差しが決まるわけでもなく、前目でしぶとく粘っていた馬たちが、そのままゴールというのがNHKマイルの大きな特徴です。
これまでのレースであまり問われることのなかった、ハイペースでの持続力が必要になるというのも、NHKマイルが荒れやすい原因だと思います。
枠順
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 0- 1- 1-18/20 | 0.0% | 5.0% | 10.0% |
2枠 | 1- 1- 0-18/20 | 5.0% | 10.0% | 10.0% |
3枠 | 1- 1- 2-16/20 | 5.0% | 10.0% | 20.0% |
4枠 | 2- 0- 1-17/20 | 10.0% | 10.0% | 15.0% |
5枠 | 1- 3- 1-15/20 | 5.0% | 20.0% | 25.0% |
6枠 | 2- 0- 3-15/20 | 10.0% | 10.0% | 25.0% |
7枠 | 1- 1- 0-28/30 | 3.3% | 6.7% | 6.7% |
8枠 | 2- 3- 2-23/30 | 6.7% | 16.7% | 23.3% |
NHKマイルは、やや外枠有利ではないかと思います。
1~4枠と5~8枠で比べた時に、外枠の方が勝ち星が多いのはもちろん、回収率という面でも外枠の方が優秀です。人気薄の好走も外枠から多く見られます。
先程の脚質データで、スプリンターでも無理やりココに出てくるため、ハイペースになりやすいという話しをしました。そのスプリンターたちが、最後の直線ではバテて下がってくるため、内が窮屈になりやすいのです。その結果、多少の距離ロスがあっても、外をスムーズに回った外枠の馬たちが有利になるのではないかと思います。
脚質データと枠順データを合わせて考えると、ここで狙い目になるのはスムーズに立ち回れそうなシブトイ脚を持っている馬でしょう。
基本データまとめ
簡単に、ここまで話した内容をまとめますと、NHKマイルカップは、
・少波乱の余地があるレース
・ハイペースになりやすくシブとさが重要
・スムーズに立ち回りやすい外枠が有利
この3点が、特徴として挙げられるでしょう。
ここからは、これらの特徴を踏まえて、具体的にどの馬が、今年のNHKマイルにピッタリかというのを考えておこうと思います。
前走4角位置
前走4角 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1/2頭以内 | 9- 7- 5- 85/106 | 8.5% | 15.1% | 19.8% |
1/2頭外 | 1- 3- 5- 64/ 73 | 1.4% | 5.5% | 12.3% |
前走半分より前で競馬をしていた馬が過去10年9勝。半分より後ろになると過去10年1勝。勝率も1%台まで落ち込みます。
脚質データで速い上がりを必ずしも必要ではなく、むしろシブとさの方が重要という話しをしました。それに伴って、前走でもシブとさを活かす競馬。先行して粘り込むような競馬をしていた馬の方が良いのです。
改めて言いますが、東京競馬場でも末脚自慢の馬ではなく、どちらかというと長く脚を使える馬に要注目です。
前走距離
前走距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
同距離 | 6- 3- 5- 83/ 97 | 6.2% | 9.3% | 14.4% |
今回延長 | 1- 2- 1- 35/ 39 | 2.6% | 7.7% | 10.3% |
今回短縮 | 3- 5- 4- 32/ 44 | 6.8% | 18.2% | 27.3% |
今回距離延長になった馬は、距離短縮や同距離の馬と比べて、半分程度の勝率になっています。
これまで後のスプリンターでも使うレースがないため、無理やりここに出てくるという話しをしてきましたが、前走1200メートルや1400メートルを使っていたスプリンター気質の馬は、やっぱり苦戦してます。
単純にマイルが適性距離でないというのもありますが、そもそも世代戦の時期に1200メートルや1400メートルを使っている馬は、能力的に微妙ということもあります。有望な馬ほど、このレースやダービーなんかを見据えて、少しでも長い距離を使っているのです。
適性はもちろん、能力的にも前走でマイルより短い距離を使っていた馬はどうでしょうか。
キャリア
過去10年の勝ち馬は、これまで1勝クラス以上でイーブン。もしくはハイペースを経験して連対した経験がありました。逆に、これまでスローペースの瞬発力勝負でしか結果を残していない馬はどうでしょうか。
これも、脚質データのところで話したことの繰り返しです。NHKマイルはスプリンターたちがハイペースを作りやすいため、ハイペースでも長く脚を使える持続力が必要です。これまでにそういうレースを経験している馬。結果を残している馬が当然有利になります。
後半3ハロンよりも前半3ハロンの方が速い、もしくは前半3ハロンと後半3ハロンが同じレースラップで、好結果を残している馬を探してみてください。
ここまで3つのデータをクリアして残っているのは、ジャングロ、タイセイディバイン、セリフォスの3頭です。
この3頭のうち強いて1頭にするならどの馬か。最後の鍵を握るのは生産者のデータだと思います。
生産者
生産者 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
ノーザンファーム | 5- 4- 6-41/56 | 8.9% | 16.1% | 26.8% |
社台コーポレーション白老ファーム | 1- 0- 0- 7/ 8 | 12.5% | 12.5% | 12.5% |
隆栄牧場 | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
ヒカル牧場 | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
パカパカファーム | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
Northern Farm | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
近年、ノーザンファームを始めとした社台グループの馬たちがNHKマイルを席巻しています。
これは過去10年で見ると、やっぱりノーザンファームが強いなくらいにしか見えないのですが、直近3年に絞ってみると、とんでもない成績になっています。
生産者 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
ノーザンファーム | 1- 3- 3-19/26 | 3.8% | 15.4% | 26.9% |
社台コーポレーション白老ファーム | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
Northern Farm | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
※社台グループとはノーザンファーム、社台ファーム、追分ファームを始めとした吉田一家の経営する牧場の総称
こちらが直近3年の生産者のデータです。過去3年で馬券になった9頭のうち8頭がノーザンファーム。残る1頭も社台グループの生産馬です。過去3年のNHKマイルでは社台グループが馬券圏内を独占しています。
以前のNHKマイルでは、こんな傾向はありませんでした。おそらく社台グループ内による使い分けの影響が出ています。昔は皐月賞や桜花賞で好走すれば、多少距離が長そうでもダービー、オークスに出していましたが、最近の社台グループは距離が長そうなら、迷わずこっちに出してきています。その結果として、以前は非社台グループの馬でも好走の余地があったNHKマイルも、社台グループの独壇場となったのでしょう。今年も社台グループ内の有力マイラーが何頭も出てきている印象で、非社台グループの馬が付け入る余地はあまりないのではないかと思います。
先程、名前を挙げた3頭のうちノーザンファーム、社台ファーム、追分ファームなどを始めとした社台グループ生産の馬はセリフォスしかいません。
まとめ
というわけで、今年のNHKマイルにピッタリの馬は、セリフォスではないかと思います。
この馬の強さは戦績を見てもらえばわかる通りですが、ハイペースの持続力勝負となった朝日杯フューチュリティステークスで2着。一緒に走ったドウデュースやジオグリフが強かったのは言わずもがなです。ハイペースの持続力勝負。このレースで問われやすい適性内での勝負で、世代トップクラスの実力を見せています。ぶっつけ本番のローテーションも、休み明けの仕上げに定評のある中内田厩舎なら大きな問題にはならないでしょう。無難に上位争いしてくる1頭だと見ています。