はい、皆さんこんにちは。アギョウです。
今回は、根岸ステークスが、どんな特徴のあるレースかを解説していきます。
それじゃあ早速、人気データを交えながら話しをしていきましょう。
人気
| 人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| １番人気 | 4- 3- 0- 3/ 10 | 40.0% | 70.0% | 70.0% |
| ２番人気 | 1- 1- 3- 5/ 10 | 10.0% | 20.0% | 50.0% |
| ３番人気 | 1- 2- 0- 7/ 10 | 10.0% | 30.0% | 30.0% |
| ４番人気 | 1- 1- 1- 7/ 10 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
| ５番人気 | 1- 0- 2- 7/ 10 | 10.0% | 10.0% | 30.0% |
根岸ステークスは、順当な決着が目立ちます。
1～5番人気で過去10年8勝。2着7回、3着6着ということで、過去10年で馬券になった30頭のうち21頭が5番人気以内の馬でした。6番人気以下から馬券絡みする確率は1年に1頭いるかいないか程度のものです。
このレースに限ったことではないですが、JRAで行われるダート重賞自体が堅い決着になりやすい傾向にあります。芝の重賞と比べて、極端にレース数が少ないため、その時の能力上位の馬たちがキッチリ仕上げてきて、キッチリ結果を残す。最近は外厩の充実化に伴って、余計にこの傾向が強まっています。
ここは、素直にこれまでの実績を信頼して良いレースではないかと思います。
枠順
| 枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| １枠 | 0- 2- 3-14/19 | 0.0% | 10.5% | 26.3% |
| ２枠 | 2- 0- 0-17/19 | 10.5% | 10.5% | 10.5% |
| ３枠 | 2- 3- 1-14/20 | 10.0% | 25.0% | 30.0% |
| ４枠 | 1- 2- 3-14/20 | 5.0% | 15.0% | 30.0% |
| ５枠 | 0- 2- 0-18/20 | 0.0% | 10.0% | 10.0% |
| ６枠 | 3- 0- 0-17/20 | 15.0% | 15.0% | 15.0% |
| ７枠 | 0- 1- 3-16/20 | 0.0% | 5.0% | 20.0% |
| ８枠 | 2- 0- 0-17/19 | 10.5% | 10.5% | 10.5% |
枠順に、大きな傾向はありません。
ダートといえば外枠有利ですが、根岸ステークスの成績を見ると、1枠から8枠まで満遍なく来ているかなという印象です。
先程の人気データで言ったように、ここは能力通りに決まりやすい一戦ですから、強い馬はどの枠順に入っても強いということでしょう。馬ごとの特性などは別にして、内枠だから駄目。外枠だから良いとか、そういうことはありません。
脚質
| 脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 逃げ | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 先行 | 1- 4- 2- 34/ 41 | 2.4% | 12.2% | 17.1% |
| 中団 | 5- 4- 3- 44/ 56 | 8.9% | 16.1% | 21.4% |
| 後方 | 4- 2- 5- 39/ 50 | 8.0% | 12.0% | 22.0% |
根岸ステークスは、差し追い込み有利が顕著なレースです。
これは東京ダート1400特有とも言っていい傾向です。このコースは3コーナーから下り坂が続くため、序盤にペースが上がると、下り坂で減速することができず、ついついハイペースになってしまうのです。
そして最後には長い直線が待っています。序盤に飛ばした逃げ先行馬が、みんな直線で脚が止まってしまいます。そこを差し追い込みたちが、一気に飲み込む。これが毎年のように行われています。
根岸ステークスといえば、差し追い込みと言っても過言ではないほど、後ろからの馬が有利になっています。
上がり
| 上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 3F １位 | 4- 2- 3- 2/ 11 | 36.4% | 54.5% | 81.8% |
| 3F ２位 | 4- 1- 2- 3/ 10 | 40.0% | 50.0% | 70.0% |
| 3F ３位 | 2- 1- 1- 6/ 10 | 20.0% | 30.0% | 40.0% |
| 3F ～５位 | 0- 3- 3- 16/ 22 | 0.0% | 13.6% | 27.3% |
| 3F ６位～ | 0- 3- 1- 99/103 | 0.0% | 2.9% | 3.9% |
一応、上がりのデータを見ても、やはり速い末脚を使える馬が有利なのは間違いありません。上がり1位～3位の馬が過去10年10勝。上がり4位以下となると全く勝てていません。
根岸ステークスはどの位置からだろうと、最後の直線で速い末脚さえ使えれば好勝負になるのです。
基本データまとめ
簡単にココまで話した内容をまとめますと、根岸ステークスは、
・ダート戦らしく能力通りに決まりやすい
・枠順云々よりも実績を信頼すべき
・根岸ステークスといえば差し追い込み
この3点が、特徴として挙げられるでしょう。
ここからは、これらの特徴を踏まえて、具体的にどの馬が、今年の根岸ステークスにピッタリかというのを考えておこうと思います。
前走クラス＆着差
| 前走G2以下 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 負0.0 | 1- 1- 1- 6/ 9 | 11.1% | 22.2% | 33.3% |
| 負0.1～0.2 | 2- 0- 2- 17/ 21 | 9.5% | 9.5% | 19.0% |
| 負0.3～0.5 | 2- 1- 2- 14/ 19 | 10.5% | 15.8% | 26.3% |
| 負0.6～0.9 | 0- 2- 0- 26/ 28 | 0.0% | 7.1% | 7.1% |
| 負1.0～1.9 | 0- 0- 1- 21/ 22 | 0.0% | 0.0% | 4.5% |
前走G2以下で0.6秒以上負けている馬は過去10年で勝っていません。
冒頭の人気データで言ったように、ここは順当な決着が多いです。そんなレースですから、前走G2以下で0.6秒以上負けている馬は、単純に能力的にどうでしょうか。前走がG1なら相手が強かったと言い訳することもできますが、G2以下では言い訳できません。
前走G2以下なら0.5秒差以内の上位争い出来ている馬からでしょう。
前走上がり
| 前走上がり | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 3F １位 | 3- 1- 3- 9/ 16 | 18.8% | 25.0% | 43.8% | 153 | 121 |
| 3F ２位 | 1- 1- 1- 14/ 17 | 5.9% | 11.8% | 17.6% | 17 | 69 |
| 3F ３位 | 3- 0- 1- 12/ 16 | 18.8% | 18.8% | 25.0% | 102 | 45 |
| 3F ～５位 | 1- 5- 0- 16/ 22 | 4.5% | 27.3% | 27.3% | 10 | 59 |
| 3F ６位～ | 1- 2- 4- 47/ 54 | 1.9% | 5.6% | 13.0% | 18 | 55 |
前走上がり3位以内の末脚を使っている馬が高い勝率、高い回収率です。逆に前走上がり4位以下はあまり奮わない成績となっています。
脚質データで根岸ステークスといえば差し追い込み。どの位置からでも速い末脚さえ使えば勝ち負けになっているという話しをしましたが、それなら前走でも速い上がりを使っている馬が当然有利です。単純に今回も速い末脚を使う可能性が高いですからね。
ここは前走でも上がり3位以内というのが、一つの目安となるでしょう。
前走距離
| 前走距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 同距離 | 2- 5- 4- 57/ 68 | 2.9% | 10.3% | 16.2% | 35 | 51 |
| 今回延長 | 2- 2- 1- 41/ 46 | 4.3% | 8.7% | 10.9% | 14 | 30 |
| 今回短縮 | 6- 3- 5- 28/ 42 | 14.3% | 21.4% | 33.3% | 86 | 112 |
今回距離短縮の馬が、距離延長などの馬と比べて好成績となっています。
根岸ステークスは1400メートルで行われるということもあって、前走1200メートルを使っているスプリンター気質の馬と、1600メートル以上を使っていたマイラー気質の馬が一同に会するわけですが、有利なのは圧倒的に今回距離短縮。前走1600メートル以上を使っていたマイラー気質の馬です。
こうなっている理由として考えられるのは、距離ごとのレベル差です。ダートのスプリント路線というのは、日本では本当に大きなレースがなく、G1でJBCスプリントくらいのものです。それに対してマイル路線はフェブラリーステークス、南部杯、かしわ記念など数多くのG1が揃っています。
当然、強い馬はマイル路線に多く、スプリント路線はあまりレベルが高くないというのが実情です。
前走1200メートルと1600メートルの馬がいれば、前走1600メートルを使っていた馬の方がハイレベルなところで戦ってきているというわけです。
スプリンターとマイラーならマイラー。距離延長と距離短縮なら距離短縮が圧倒的に有利です。
ここまで3つのデータをクリアして残っているのはギルデッドミラー、タガノビューティー、レモンホップの3頭です。
この3頭のうち強いて1頭にするならどの馬か。最後の鍵を握るのは、前走馬体重のデータではないかと思います。
前走馬体重
| 前走馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 前走500キロ以上 | 3- 6- 6- 73/ 88 | 3.4% | 10.2% | 17.0% |
| 前走499キロ以下 | 7- 4- 4- 54/ 69 | 10.1% | 15.9% | 21.7% |
前走馬体重500キロ以上の馬は、499キロ以下の馬に比べて好走率が落ちています。
ここまで鋭い末脚を使うことが重要なレースだというのは何度も話してきましたが、それに伴って、出来るだけ馬体重の軽い馬。素軽いの馬が有利なのではないかと思います。
これはディープインパクトとブラックタイドで例えると分かりやすいです。歴史的な名馬で驚異の末脚を武器にしていたディープインパクトは、そんなに馬体重が重い馬ではありませんでした。
それに対して兄にあたるブラックタイドは馬体重が重く、レースぶりも末脚というより、スタミナ・パワーを生かして粘り込むというレースで頑張っていた馬です。
同じ血統でも馬体重の違いで、まったく違う適性を示すのです。
それと同じようなことが言えるわけです。ダートといえば馬体重の重い馬たちによる我慢比べが主流ですが、このレースに限っては馬体重が軽めの馬たちの素軽さを重視するべきでしょう。
前走上がり3位以内、今回距離短縮、そして前走馬体重499キロ以下という3つのデータを同時にクリアした時。勝率44.4％。複勝率66.7％。回収率は100％を大きく超えています。
今年の出走馬で、これをクリアしたのはギルデッドミラーしかいません。
まとめ
というわけで、今年の根岸ステークスにピッタリの馬は、ギルデッドミラーではないかと思います。
この馬はダートに替わってから高いパフォーマンスで安定しています。ダート初戦となったNST賞は前が止まらない展開を無理やり差しての勝利。グリーンチャンネルカップも前が止まらない展開を後ろから差してきての惜しい2着。前走の武蔵野ステークスも前半3ハロンより後半3ハロンの方が速いという、ダートにしてはスローペースになった一戦でしたが、それでも上がり最速の脚を使って無理やり差しきって見せました。ダートに替わってから展開が向いたというレースは一度もなかったのですが、それを覆す走りをしています。ダートでは底を見せておらず、高い能力を秘めているのは間違いありません。ダートに替わってから安定した末脚も見せていますし、ここでも好勝負してくれるのではないかと思います。
