はい、皆さんこんにちは。アギョウです。
今回は、AJCC(アメリカジョッキークラブカップ)が、どんな特徴のあるレースかを解説していきます。
それじゃあ、早速、人気データを交えながら話しをしていきましょう。
人気データ
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3- 3- 0- 4/ 10 | 30.0% | 60.0% | 60.0% |
2番人気 | 3- 1- 2- 4/ 10 | 30.0% | 40.0% | 60.0% |
3番人気 | 1- 2- 1- 6/ 10 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
4番人気 | 1- 0- 2- 7/ 10 | 10.0% | 10.0% | 30.0% |
5番人気 | 0- 2- 1- 7/ 10 | 0.0% | 20.0% | 30.0% |
AJCCは能力、実績通りの決着が目立つレースだと思います。
1~4番人気が過去10年8勝。人気サイドの馬が順当な勝ちを決めているケースが目立ちます。過去10年で人気薄から勝ったのが、当時7番人気のシャケトラ。これまた7番人気だったタンタアレグリアなのですが、これらの馬には、ある共通点がありました。
シャケトラは前走有馬記念4着。実績は十分でしたが中55週。1年以上の休み明けでの出走でした。タンタアレグリアも前走天皇賞春で4着でしたが、これまた中37週。約8ヶ月ぶりのレースでした。人気薄で勝った2頭は、休み明けが嫌われて人気を落としていたのです。どちらも能力、実績的にはG2では上位の存在でした。
人気薄で穴を開けた2頭からも分かるように、ここは能力、実績通りに決まりやすいです。トリッキーな中山だからと言って、捻った予想をする必要はないでしょう。
枠順データ
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 0- 1- 2-12/15 | 0.0% | 6.7% | 20.0% |
2枠 | 1- 1- 1-12/15 | 6.7% | 13.3% | 20.0% |
3枠 | 2- 1- 0-12/15 | 13.3% | 20.0% | 20.0% |
4枠 | 1- 2- 3- 9/15 | 6.7% | 20.0% | 40.0% |
5枠 | 2- 2- 1-12/17 | 11.8% | 23.5% | 29.4% |
6枠 | 2- 1- 0-17/20 | 10.0% | 15.0% | 15.0% |
7枠 | 1- 2- 2-15/20 | 5.0% | 15.0% | 25.0% |
8枠 | 1- 0- 1-21/23 | 4.3% | 4.3% | 8.7% |
AJCCは内枠有利というより、大外枠が不利です。
先程の人気データのところで言ったように、基本的には能力通り、実績通りに決まりやすいので、そんなに枠順どうこうというのはないですが、8枠だけ明らかに成績が悪くなっています。勝率や複勝率はもちろんですが、回収率もかなり低いです。やっぱり、小回りの中山ですから大外枠は流石に厳しいのでしょう。
枠順はそんなに関係ないとは思いますが、大外枠に入った時だけは気にした方がいいかもしれません。
脚質データ
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
逃げ | 1- 0- 1- 9/ 11 | 9.1% | 9.1% | 18.2% |
先行 | 7- 6- 2- 22/ 37 | 18.9% | 35.1% | 40.5% |
中団 | 2- 3- 6- 46/ 57 | 3.5% | 8.8% | 19.3% |
後方 | 0- 0- 0- 33/ 33 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
マクリ | 0- 1- 1- 0/ 2 | 0.0% | 50.0% | 100.0% |
AJCCは逃げ先行馬。前に行った馬が有利でしょう。
いくら能力でなんとかなるとは言っても、最終コーナー付近で後方集団にいるようでは、流石に届きません。これは直線の短い中山らしい傾向です。前に行けることは大きなアドバンテージで、後ろから行くにしても、途中でマクっていく必要がありそうです。
先行力がある馬を中心視するのがセオリーとなるでしょう。
基本データまとめ
簡単に、ここまで話した内容をまとめますと、AJCCは、
・トリッキーな中山でも能力通りに決まりやすい
・内枠有利というより、大外枠が不利
・先行力のある馬を狙うのがセオリー
この3点が、特徴として挙げられるでしょう。
ここからは、これらの特徴を踏まえて、具体的にどの馬が、今年のAJCCにピッタリかというのを考えておこうと思います。
前走クラスデータ
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
3勝 | 0- 0- 0- 9/ 9 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
OPEN非L | 0- 1- 0- 16/ 17 | 0.0% | 5.9% | 5.9% |
OPEN(L) | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
G3 | 0- 3- 3- 26/ 32 | 0.0% | 9.4% | 18.8% |
G2 | 3- 0- 3- 22/ 28 | 10.7% | 10.7% | 21.4% |
G1 | 4- 1- 1- 19/ 25 | 16.0% | 20.0% | 24.0% |
※集計範囲:5歳以上
5歳以上で前走G3以下の馬は、過去10年で勝ったことがありません。
現代競馬は強いほど大事に使っていく傾向にあります。G2を勝てるような馬は、G3やオープン特別で無駄撃ちすることは、ほとんどなくなっています。前走G3で走っている馬は、G3が精々の馬。オープン特別を走っている馬はオープン特別が精々であることが大半です。
ただ唯一、例外として考えられるのが、明け4歳の馬です。実際に2018年にここを勝ったダンビュライトは、前走3勝クラスを走っていました。クラシック戦線でも堅実に走った、当時のこの馬が3勝クラスの器でないことは、誰の目にも明らかです。明け4歳は、まだキャリアが浅いため、適正のクラスで走っていないことがあるのです。
明け4歳を除いた、5歳以上で前走G3の馬は能力的にどうでしょうか。
前走人気
前走人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
前走1人気 | 3- 2- 0- 5/ 10 | 30.0% | 50.0% | 50.0% |
前走2人気 | 1- 1- 2- 4/ 8 | 12.5% | 25.0% | 50.0% |
前走3人気 | 0- 0- 2- 5/ 7 | 0.0% | 0.0% | 28.6% |
前走4人気 | 0- 2- 2- 9/ 13 | 0.0% | 15.4% | 30.8% |
前走5人気 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
前走6~9人 | 0- 1- 2- 27/ 30 | 0.0% | 3.3% | 10.0% |
前走10人~ | 0- 0- 1- 31/ 32 | 0.0% | 0.0% | 3.1% |
※集計範囲:前走G1以外
前走G1以外で3番人気以下だった馬が、過去10年で勝っていません。
これは、そんなに難しい話しではありません。先程の繰り返しのような話しです。G1で人気薄になってしまうのは仕方ないことですが、前走G2以下なのに3番人気以下では、能力的にどうかなという感じです。
ここまでの能力的な2つデータをクリアして残ったのはアサマノイタズラ、アンティシペイト、オーソクレース、キャッスルトップ、ポタジェの5頭しかいません。
前走初角位置データ
前走初角 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1/2頭以内 | 6- 5- 4- 54/ 69 | 8.7% | 15.9% | 21.7% |
1/2頭外 | 3- 5- 6- 56/ 70 | 4.3% | 11.4% | 20.0% |
※前走凱旋門賞のブラストワンピースのデータ無し
前走、半分より後ろで競馬していた馬は、前で競馬をしていた馬は比べて、勝率が半減しています。
脚質データのところで逃げ先行馬。前に行ける馬が有利という話しをしましたが、それに伴って、前走でも半分より前で競馬をしていた馬が有利でしょう。単純に、今回も前に行く可能性が高いですからね。 スタートしてから、最初のコーナーまでに前に行けない馬。先行力に疑問が残る馬は、なかなか勝ち切ることができないでしょう。
先程、名前を挙げた5頭のうちアサマノイタズラ、オーソクレースは、半分より後ろ。今回も後ろに回る可能性が高いでしょう。さて、これでアンティシペイト、キャッスルトップ、ポタジェの3択になったわけですが、この3頭から強いて1頭にするなら、どっちの馬か。最後の鍵を握るのは生産者のデータだと思います。
生産者データ
生産者 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
ノーザンファーム | 5- 6- 3-21/35 | 14.3% | 31.4% | 40.0% |
近年、このレースでノーザンファームが猛威を振るっています。
過去10年で見ると、そんな大したことはないのですが、直近5年に絞ってみると、好走率がグンと上がります。
生産者 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
ノーザンファーム | 4- 4- 1-13/22 | 18.2% | 36.4% | 40.9% |
※集計範囲:直近5年
ノーザンファームは過去5年4勝。勝ち星の大半をノーザンファームの生産馬が挙げています。
直近5年で、ここまでノーザンファームが勝ち星を上げてきたのは、いわゆる使い分けによる影響でしょうね。勝ち星を食い合わないように有力馬たちを割り振り、充実した外厩で仕上げ、勝てるレースを確実に取る。近年のノーザンファームの傾向が、このレースにハッキリ出ています。
今年も日経新春杯にステラヴェローチェ、ヨーホーレイクを出して、オーソクレースとポタジェはココを使うという、露骨な使い分けをしてきました。ノーザンファームとしては一戦必勝。今年もノーザンファームの生産馬に要注目でしょう。
残っている3頭のうち、ノーザンファームの生産馬はポタジェしかいません。
まとめ
と、いうわけで、今年のAJCCにピッタリの馬は、ポタジェではないかと思います。
前走の天皇賞秋は、エフフォーリアやコントレイルなど、指折りの実力馬たちに屈してしまいましたが、それでも後にジャパンカップでも堅実な走りをしたサンレイポケット。香港カップで2着のヒシイグアスとは、差のない競馬ができています。G2やG3ならどんな馬場、どんな展開になっても好走しており、このクラスでは間違いなく能力上位の存在です。今回、最大のライバルになりそうなのはオーソクレースですが、より安定して上位争いしてくれそうなのはコチラの方ではないかと思います。